アイルランド銀行が取り組む、アプリケーションポートフォリオ管理強化によるITコスト削減

“ロードマップに対する実際の資金供給の状況 、および投資対効果を理解するための詳細な財務情報を Apptioから得ることができ、非常に大きなメリットとなっています。”

ローナン・ヒューズ氏アイルランド銀行
コアバンキング&グループマニュファクチュアリング
プリンシパルアーキテクト

1783年に創設されたアイルランド銀行は、信頼関係構築を重視する伝統的なリテールおよび商業銀行で、従業員数8,000人、収益は37億ユーロを誇ります。アイルランド国内最大の銀行で、国内2大銀行の内の1つです。ダブリンを本拠地とするアイルランド銀行は、国内銀行の約35%を占める、アイルランド経済にとって戦略的に重要な組織です。

Technology Business Management (TBM)へつながるアプリケーションポートフォリオ管理

アイルランド銀行は、リテールおよび法人市場から国庫および国際銀行業務まで、総合金融機関として幅広い製品およびサービスを提供しています。グローバル展開企業に比べれば地域性が強いものの、直面する課題は非常によく似ています。

2020年、アイルランド銀行の目標の1つは、より機能的で使いやすいアプリケーションポートフォリオ管理(APM)を実現することでした。事業の複雑性とテクノロジーの変化を考慮し、同行のITのマネジメントは資産全体のコスト管理を向上させる方法を必要としていました。そしてAPMがその答えでした。

「私たちは、コスト管理および評価、プラニング、予算実績の追跡、またテクノロジーのライフサイクル管理と負債の正しく把握するために、独自のアプローチを取っていました」アイルランド銀行 プリンシパルアーキテクト(コアバンキング&グループマニュファクチュアリング)、ローナン・ヒューズ氏は話します。「全てはその時々に対処を行うような管理手法でした。関係者が集まり、どちらかというと事実に基づく議論よりも、感覚的な議論になっていました。」

同行のマネジメントが求めていたのは、明白で透明性の高い、より客観的かつ能率的なアプローチでした。事業全域に対するAPMの導入が立案されたのです。このため、既存アプリケーションを詳細に正しく評価する必要がありました。

「当行の資産である各アプリケーションを把握し、それぞれの総所有コストを明確にしなければなりませんでした」とヒューズ氏は述べています。「そこでApptioにたどり着いたのです」

ITチームは、抱える問題を解決でき、組織レベルでの価値を最大化できる最良のソリューションを探すべく様々な情報収集と調査を行いました。

「Apptioは迅速な支援をしてくれました」とヒューズ氏は述べています。「当行にとって達成可能な概念実証を 4週間で提出してくれたのです。当時、利用できる状態だった基本的な実データをもとに可視化を進めただけでも、『これはすごい、素晴らしい、トランスフォメーションが叶う』と感じました。」

こうしてアイルランド銀行はApptioを採用し、2021年3月に導入を開始しました。ヒューズ氏によると、Apptio導入からたった1年で、APMにより5つの要素でその効果を実感しているとのことです。

1. コストと効果の管理

ヒューズ氏によると、Apptioによって、サービスやアプリケーション、コストタワーおよびバリューストリームに対し、様々な軸でTCO(総所有コスト)の見解を得ることができるようになったということです。

「TCO可視化の取り組みから、コストと効果が明らかになりました」と同氏は述べています。

2. ポートフォリオ投資戦略

同行では、ソフトウェア、ハードウェア、労務、ベンダーなど、基本的なカテゴリーのコスト内訳と共に、アプリケーションレベルで各ポートフォリオのライフサイクル状況をApptioから得ることができました。これにより各アプリケーションに対する支出を把握できるようになり、また将来どのエリアを拡大すれば良いのかを決めることができ、投資戦略の評価につながりました。

3. トランスフォメーションロードマップ

APMのトランスフォメーションロードマップ要素は、コスト、ライフサイクル管理、そして投資情報を基にロードマップを作成し、組織の戦略的目標に合わせて調整できます。

「当行の各コアビジネスエリアに対し、3年および5年の戦略的投資ロードマップを形成しました。現時点でのTCOをこれらのロードマップに織り込むみことで、はるかに現実的で具体的なTCO管理が可能になります」と同氏は述べています。

4. 調達戦略

調達の最適化を試みるには、全てのアプリケーションとサービスTCOの予算および実績の内訳を、ベンダーごとに調査する必要があります。ヒューズ氏は、必要な情報をApptioから得ることができ、より優れた調達戦略が可能になったと語ります。

「契約満期が近づくたび、Apptioから簡単に情報を得ることができます」と同氏は述べています。「今どのくらいのコストになっているのか? そこから得られる効果は何か? 使用するのは誰で、どのポートフォリオ領域で使用されているのか? 新しい契約が必要であるとき、現状保持すべきか、または拡大するか、それとも縮小するべきなのか? こういった多くの契約に対し、未だに支払いが必要なのかどうか、分からない状態でした。」

Apptioの貢献によってこれらの疑問を解消し、具体的にはあるアプリケーションのライセンス数を5,000から 400に縮小可能であることがわかり、同行にとって大幅な節約を実現できました。

5. テクノロジー戦略

アイルランド銀行では、Apptioを使用して本質的な議論を行い、テクノロジー資産の運用における効率性を明確にすることができました。これにより、組織のテクノロジー戦略に直接的な効果がありました。

「コストの削減と過去の遺産の排除(古いアプリケーションの廃止)機会を見極めることができ、膨大なIT資産に派生する複雑性を緩和し、テクノロジー戦略を強化することができました」とヒューズ氏は述べています。

同氏によると、Apptio導入1年目でアプリケーションポートフォリオを15%削減し、今後もさらなる合理化が計画されているということです。

Apptioはコスト削減につながる様々な取り組みを可能にし、Apptio導入1年目で、合計250万ユーロの節約を実現し、2年目以降も同様の節約額が予測されています。

この削減額のうち、約140万ユーロは契約再交渉、サポートやベンダーライセンスの削減、および関連インフラの縮小から達成しています。このエリアをさらに強化することで、今後何年もにもわたって継続的なメリットおよびコスト削減が可能となります。

アイルランド銀行には、Apptioよって実現したAPMにより、これら5つの要素を実現できたことにご満足いただいています。しかしヒューズ氏によると、Apptioは当初の期待を超えた成果を生み出したとのことです。

「Apptio導入の結果として、APM戦略のその他の要素にも効果があり、それはApptioとの契約当初に意図していなかったものでした」と同氏は述べています。「いわゆる二次的効果で、TCOモデルを導入し、それを社内で精査していった結果から派生して得られたものです。」

Apptioによる二次的効果とは:

1. ビジネス戦略への貢献

Apptioのデータを分析することで、組織のビジネス戦略に直接的な影響を与えることができるようになったと、ヒューズ氏は述べています。

「リテールおよび法人チームはデータを見て、『これ(機能または能力)はコストが高くついている。何か他のことをやってみるべきではないか?』と考えるようになりました。他にも『高いと思っていたが、実際にはここから多くの収益が出ている』と、コストと効果のバランスを誰もが見ることができるようになりました。そこに焦点を当てるべきなのです。強化し、広げていくべきです。」

一つの例は、支払いシステムです。支払いシステムは銀行の営業時間内のみ利用できれば良く、アイルランド銀行では、営業時間外のシステムサポート時間を減らし、コスト削減につなげることができました。

2. リスク管理負荷の低減

リスク管理の視点でもApptioは貢献してくれました。銀行としてリスクを規制当局に提出し、自己監視しなければならないため、ここに常にコストが発生します」とヒューズ氏は述べています。「保有するITコストを下げることができるということは、管理すべき業務リスクの対象からも減らすこともできるわけです。現在ここは、企業レベルで調査しています。」

3. 労働力の戦略的配置

ヒューズ氏によると、組織戦略の意思決定をサポートするために重要なデータをApptioから得ることができるということでした。

「Apptioを使用することで、どの領域に自社従業員を使い、第三者プロバイダーを利用しているか、労務費はどれくらいか、その投資からどのような価値を得ているのか把握することができるようになりました」と同氏は述べています。「当行の資産に対し、どの領域に従業員を配置し、どこで人を雇えばいいのか、より具体的な議論を持つことができるようになりました。進める価値はあるのか? 何のために人が必要なのか? 労務費が高く、大きな価値を得られていないとしたら、その労働力を他の領域にシフトできるのではないか?」

当初、Apptioは主にIT部署で主に使用される予定でしたが、財務や調達など行内の他部署もユーザーとなり、Apptioからのインサイトを基に意思決定を行っています。

データドリブン型の意思決定を可能にするクリアな可視化

アイルランド銀行では、より正確で透明性の高いアプリケーションポートフォリオ管理プロセスを実施するために、Apptioを選びました。しかし、ヒューズ氏によると、同行のマネジメントはその期待以上のものを得ることができたと話します。Apptioは、アプリケーションの安定性、保全性、ライフサイクル、そしてコストに対するクリアな可視化を実現し、IT投資に関する戦略的および業務的意思決定を可能にしたのです。

「Apptioを検討し始めたのは、APMの視点からでした」とヒューズ氏は述べています。「しかし現在では、様々な事業と目的で、Apptioを使用しています。ロードマップに対する実際の資金供給の状況、および投資対効果を理解するための詳細な財務情報をApptioから得ることができ、非常に大きなメリットとなっています。」

ApptioOneについて詳しくは、apptio.com/ja/apptiooneをご覧ください。

Additional Resources