TBMの活用による、National GridのIT投資の透明性の確立とコスト削減の取り組み

“TBMタクソノミーを活用して、自社のコスト分析を同業他社に対するベンチマークを通じて評価しました。”

National Gridは、2022年度 TBM CouncilにおけるBusiness Optimization Awardを受賞しました。

エグゼクティブサマリー

National Gridは、Technology Business Management (TBM)メソドロジーと、ベンチマーク等のApptioソリューションを活用し、様々なコスト削減の取組を実現しています。3年間で1億ドル以上のコスト削減をターゲットとするプログラムの一環として、National Gridチームは、TBMとApptioソリューションの活用により、IT Towerコストをベンチマークし、約130に及ぶ最適化の取り組みを進めています。これによって、National GridのTBMチームは年間4,700万ドルのコスト削減を達成し、初年度目標を上回りました。

National Gridの概要

National Gridは、英国及び米国東海岸における電力とガスの供給を行う、世界最大規模のユーティリティ企業です。National Gridは、何百万人もの人々に、安全かつ確実に、効率的にエネルギーを届ける、極めて重要な役割を担っています。

課題

National Gridは、信頼性の高いクリーンエネルギーの未来をより手頃な価格で実現するという意欲的な目標を達成するべく、デジタル&テクノロジー組織内で数年にわたる大規模なトランスフォーメーションを進めています。これには、ITコストを削減して顧客への価値を高め、働き方を変え、行政報告及び資金調達の要件を満たすという計り知れないプレッシャーが伴います。さらに、National Gridが行う米国及び英国内での買収/売却活動が、このようなコスト削減の実現に対するプレッシャーを高めています。

ソリューション

National Gridは、トランスフォーメーションによる目標成果を確実に達成するために、重要な原動力となるべく、2018年にTBMオフィスを設立しました。さらにNational Gridは、ApptioOne Plus、ApptioOne Benchmarking、Vendor Insights、Premier Supportへの投資を決定しました。3年間のコスト削減プログラムの一環として、この投資により、National Gridにおけるアプリケーションの合理化や、ネットワークコストの最適化、クラウドコストの最適化、技術的負債の削減を支援しました。

結果

年間4,700万ドルのコスト削減を達成

National GridのTBMオフィスは、3年間で1億ドル以上のコスト削減を目指すプログラムの一環として、ApptioOneを活用し、次の4つの主要なイニシアチブにおいて大幅な最適化領域を特定し、コスト削減を実現しました。

  1. アプリケーションの合理化
  2. ネットワークコストの最適化
  3. クラウドコストの最適化
  4. 技術的負債

アプリケーションの合理化:National Gridでは、アプリケーションTCOレポートを用いてアプリケーションを合理化し、約400のアプリケーションを効率化、または使用停止することを目指します。この取り組みにより、TBMチームは、3年間で1,000万ドルのコスト削減を見込んでいます。2022年度は、200万ドルの効率化による節約を達成し、アプリケーション毎総コストを削減しました。

ネットワークコストの最適化:さらに、TBMとApptioOneにより、エンタープライズネットワークキャリアによる過剰と思われる請求領域を特定するユースケースを開発できるようになりました。ネットワークコストのサイトフォーカスレポートを使用して、WANとSD-WAN回線の両者について、多数のサイト間で過去に二重請求があったことを特定しました。その結果、100万ドルの削減を実現しました。

クラウドコストの最適化:National GridのTBMチームは、Microsoft Azure™ をCloud Business Managementに統合することで、ライトサイジングを実現し、リザーブドインスタンス最適化の機会を得ることができました。これにより、より広範囲で300万ドルの節約に繋がりました。

技術的負債:National GridのTBMチームは、技術的負債において、エンタープライズデータセンターで耐用年数を過ぎたサーバーソリューションに支払われた配分コストを特定するユースケースを開発しました。技術的負債をターゲットとした年間節約額は100万ドルに相当します。

実際の消費量とコストの可視化によって、議論を変える

National Gridのチームは、ビジネス部門とIT部門の間でより実用的で透明性の高いコストに関する共通言語化と、同じ目線での議論が行える仕組みが必要であることを認識し、TBMとApptioというテクノロジー財務管理ソリューションによって、アクションに繋がる高精度なITコストデータ管理と、そこから得られる価値と成果を明らかにする取り組みを進めました。TBMは、SAP財務システムと連携します。ITの消費量データは、配賦エンジンの確立、正確な運用費の把握に繋がります。

IT部門が調達する製品およびサービスに透明性を持たせることで、National GridのTBMチームは、正確な消費量ベースでの配賦モデルを開発できるようになりました。包括的であり、次の取るべきアクションが明確になり、詳細コストデータまでドリルダウンして把握が可能になる「Bill of IT」を実現することで、National GridのTBMチームは、CIO、規制部門、企業財務、重要なステークホルダー間の共通認識を確立し、ファクトベース且つ成果重視の議論に変革しました。

ユースケースを構築し、TBMを主要なイニシアチブに組み込む

National GridのTBMオフィスは、3年間のコスト削減プログラム以外にも、Apptioを活用して多くのビジネス目標の実現に取り組んでいます。National Gridのチームは、ユースケースアプローチを採用することで、主要な組織のイニシアチブから始め、TBMデータによる新たな最適化機会、コスト構造への理解を深めるべき場所を特定します。このアプローチを通じて、アプリケーションメンテナンスサポートモデルをライトサイジングするための取り組み、および広範な事業売却活動をサポートします。

National Gridには4つの外部アプリケーションメンテナンスマネージドサービスプロバイダーが在り、アプリケーションごとおよびサービスティア(例: Gold/Silver/Bronze)ごとに請求書を発行しています。これを新たに、サポートチケットとサポートモデルの情報(24時間体制、週5日24時間体制など)を用いて、詳細なデータ構造を明らかにしていきます。この新しく集めた情報をもとに、TBMチームは、サービスレベルを階層化し直し、サポートモデルのライトサイジングを行い、ボリュームディスカウント機会を特定するためのユースケースを開発しました。National Gridは、このイニシアチブにより、アプリケーションサポートコストを300万ドル削減しました。

TBMがNational Gridの事業効率に貢献しているもう1つの分野は、事業売却における取り組みです。National Gridは現在、2つの事業を売却中です。TBMチームは、ApptioOneを、移行期間中のサービス提供に関する契約(TSA)の理解、妥当性の確立における信頼できる唯一の情報源として、またストランディッドコストを特定するための主要な情報源として活用しています。その結果、管理にかかる時間の節約と、約4,000万ドルのストランディッドコストの特定につながりました。

結論

2022年度 TBM CouncilにおけるBusiness Optimization Award受賞者として、National GridのTBMチームは、TBM実践に取り組もうとする方に対して以下のようにアドバイスしました。

National GridのTechnology Business Managementグローバルリード、Sunil Anand氏は次のように強調しています。「当社は、同業他社とのベンチマーク比較分析を行うために、TBMタクソノミーを用いて自社のコストベースを評価することから始めました。」 Sunil氏曰く、TBMを使いこなすための5つのヒントは次のとおりです。

  1. TBMの推進についてエグゼクティブの協力を得ること
  2. 開発された機能の精度と実行可能性を確保すること
  3. 財務部門とテクノロジー部門間の強力なパートナーシップを確立すること
  4. アジャイルデリバリーアプローチによって継続的な価値を提供すること
  5. 具体的な成果をもたらす明確なTBMのユースケースに則って設計すること

TBMプログラムの基礎としてこれらのヒントに取り組むことで、ビジネスゴールの達成に繋がります。

Additional Resources

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