ビジネス価値の測定におけるデータの信頼性ギャップを解消

先日、Harvard Business Review Analytic Services (HBR-AS) は「The Transparency Imperative: How Visibility Into Technology Spending Drives Business Value(透明性の必要性: テクノロジー支出の可視化は、いかにビジネス価値を創出するか)」と題したPulse 調査をリリースしました。

あらゆる会社はデジタル会社になりつつあり、ビジネス業績を高めるためのテクノロジー投資を進めています。デジタルファースト戦略を実施するには、ビジネスとテクノロジー両方のリーダーたちが、テクノロジー活用のモデルを抜本的に変えなければなりません。今日、ビジネスとテクノロジーのチームは協力してアジャイル開発を導入し、プロジェクトベースからプロダクトベースのデリバリーへと移行すると共に、クラウドの活用を加速化しています。そのすべてにおいて、テクノロジー支出に関する実施可能なインサイトと、会社にとっての価値を測定することが必要となります。

ビジネス価値の創出を加速

ビジネスリーダーたちがパンデミック後の世界に足を踏み入れる際、そこには2つの大きな機会があります。

第1は、新しいテクノロジーと新しい働き方の導入を加速化するためのインフラを確実に構築することです。適切なテクノロジー、財務管理、そしてクラウド移行の経済性の定量化を含めた、意思決定のシステムとプロセスにより、変化し続ける優先事項に対応できる企業が、競争上の優位性を獲得することになります。

第2は、デジタルイノベーションのペースを維持し、プロジェクトベースではなく、プロダクトベースの考え方を導入することです。レガシーシステム、アジャイル開発、クラウド移行など、テクノロジーの複雑さは並大抵のものではありません。これらの変革は、価値、コスト、活用状況を測定することなくして実現できません。残念なことに、多くのリーダーたちは、組織内に際立つデータの切断があることに気付いており、俊敏性を高め、イノベーションにより競争力を強化していくことを困難にしています。

データの分断が俊敏性を高めることを妨げる

Apptio は、Harvard Business Review Analytic Servicesによる調査のスポンサーとなり、テクノロジー支出の可視化がビジネスの俊敏性とどのように関連しているかについて理解に努めてきました。「The Transparency Imperative: How Visibility into Technology Spending Drives Business Value (透明性の必要性: テクノロジー支出の可視化はいかにビジネス価値を創出するか)」(1) は、ビジネスリーダーたちが「なぜ」価値を測定し、「いかに」プロセスと測定基準を作り上げていくかについて、深く掘り下げて考察するものです。この分析では、「重要性」と「信頼性」という、すべてのものを統合し中心となるデータポイントを明らかにします。調査によると、ビジネスリーダーたちは、俊敏性を高めるためには、クリーンで正確なデータが不可欠であると理解しています。しかし同時に、ビジネスリーダーたちは、テクノロジー支出の判断に使用しているデータを信頼できていない状況です。

Harvard Business Review Blog B3058 JA blog image - ビジネス価値の測定におけるデータの信頼性ギャップを解消 - ApptioHBR-AS の調査 (1) によると、92% の回答者は、テクノロジーがもたらすビジネス価値を「重要」または「非常に重要」と評価しています。しかしながら、このカテゴリーに関する情報を「信頼する」または「非常に信頼する」と答えた回答者は 62% にとどまります (上記の図を参照)。データ セットは膨大で、通常は関連性のないそれぞれのシステムに分断されています。 (例えば、組織がITコストを損益計算表のビューで作成するためには、クラウドや財務データと勤怠のデータを統合しなければなりません)。ただし、信頼できる判断を下す際に100% のデータ精度にこだわる必要はありません。Apptio は、お客様が再現性の高い意思決定プロセスを構築し、さらにデータの精度を向上すべき領域を明らかにすることができるレベルにまで、データ精度を速やかに高めることができるように支援します。

HBR-AS の調査 (1) によると、CEO と IT リーダーが考える最も重要な戦略的ビジネス目標は、顧客への価値提供の加速と測定です。Apptio は、 IT コストに透明性がなければ、価値提供に関する対話は成立しないと考えます。コストと価値は、同じコイン (IT ファイナンス管理) の表と裏です。組織は、OKR (目標と主要な結果) と価値管理フレームワークを通じて、新規投資がもたらすビジネス価値を数値化する必要があります。Apptioのお客様を含む多くの組織は、プロダクトベースのデリバリー モデルへと移行しています。そのモデルでは、継続的に価値をもたらし、IT 部門とビジネス部門の連携がより強固なものになります。組織は、ビジネス価値を測定する指標 (コスト削減、新たな収入源の獲得、従業員の生産性向上など) をテクノロジー投資と紐付けることを進めています。

データドリブン経営

この 18 か月間、Apptio は、数多くの経営幹部や組織がデータドリブン経営を実施し、コロナ禍の混乱を乗り越える様子を見てきました。信用調査機関Equifax社のグローバルセキュリティ&テクノロジー担当 CFOであるRanojoy (RJ) Hazra氏も次のように述べています。「コスト構造を知ることで、テクノロジー支出を市場や収益の影響に関連付けることができ、迅速な判断が可能になります。」きわめて不確実が高い状況において、テクノロジー リーダーは速やかに支出の計画と予測を見直す必要があり、ある分野では支出を削減しながら、リモートワークに投資することができました。世界の多くの地域では、オフィスへ出社する形態に戻りつつありますが、ビジネス リーダーは既存のプロセスを再評価する必要性に気付いています。HBR の調査 (1) でも、この傾向が数値として現れており、テクノロジー投資の予算策定において、新しい指標やデータに基づくプロセスの構築が最も重要な課題としています。

The Transparency Imperative: How Visibility into Technology Spending Drives Business Value (透明性の必要性: テクノロジー支出の可視化はいかにビジネス価値を創出するか)」 には、エグゼクティブがコラボレーションとテクノロジーによりこのギャップを埋めるよう取り組む際、チームをサポートするために必要不可欠な情報が含まれています。

1 Harvard Business Review Analytic Services (2021 年) 『The Transparency Imperative: How Visibility into Technology Spending Drives Business Value』

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